スタートアップインタビューのヒント
人材こそが全てです。人材の需給ギャップが広がっていることもあり、有能な人材に対する需要はより一層強まっています。Wahl & Caseでは、最もイノベーティブであり、既存の価値を打ち砕くほど革新的なテクノロジー企業の仲介役 (クライアントを片方に、私たちの優れた人材ネットワークをもう片方において)を担っています。私たちは「事業を成長させるために、ベストな人材をいかに獲得し、維持するか」という、顧客にとって重要な問題の解決に日々務めています。スタートアップの世界 (モバイル、アナリティクス、教育工学、ゲーミング、アプリ、収益化、広告技術、イーコマース、シェアエコノミー、金融テクノロジーなど) において、私たちはテクノロジーとデジタルで起きている革命の目撃者となっています。この革命を目撃するだけでも、私たちはなぜ企業が成功するか、あるいは失敗するかについての貴重な見識を得ています。これは私たちの業務に付随する(多くの)特典の一つでもあります。私たちは、主要マーケットである東京とサンフランシスコで活躍するソートリーダー (実践的先駆者)たちのプレゼンテーションやインタビューを基にした一連の記事を先駆的に作っていくこと、そして、tech系スタートアップでのリクルーティングを通して目の当たりにする見識を共有することを目的としています。
私たちのゴールですか?それは、ほんの一握りの人間の手中に収まった価値ある情報を、皆さんと共有することです。私たちが共有する知識や情報が、転職の際のより良い意思決定の助けとなれれば、あるいは、新たに設立したスタートアップが断崖絶壁のような事業の成長過程を通り抜けていく助けとなれば幸いです。
これは、私たちと日頃から関係の深い、クライアントに関する特集です。彼は心よく、日本におけるスタートアップ企業の人材雇用について、その豊富な知識をシェアしてくれました。
氏は 、現在、Gengo, Inc.のCOOを務めています。それ以前には、シリコンバレーと日本で、インターネットビジネスに16年間携わりました。彼はKick.comの共同創設者兼CEOを務めた他、Yahoo! (messenger)やソニー (PlayMemories)でも、製品開発責任者を歴任しました。
は東京に本部を構える、Webベースの翻訳サービス提供会社です。選考試験に合格した17,000人以上の翻訳者が、37か国語64言語ペアもの翻訳サービスを行っています。翻訳依頼については、直接注文またはAPIを経由して行うことができます。
スタートアップのためのリクルーティング
Matthew SkyrmはこれまでにGengo, Inc.で様々な人材を雇用してきました。彼は雇用に関する2つの主要なアプローチを提示してくれました。そのどちらにも、現金とストックオプションを組み合わせたものが含まれています:
コンサルティブ型アプローチ
クライアントとキャンディデートの仲介役として、両者が何を重要視しているのかを理解する。彼らは現金が欲しいのか、それとも株式が欲しいのか?
発行済みの株式数、ストライクプライス、現在のバリュエーションについてクライアントに聞く。
ユーザーや売り上げの成長幅について調べる。
将来の資金計画- クライアントは資金の新たなラウンドをすぐに得られようであるか?このことは、バリュエーションやストライクプライスに影響を及ぼすことがあります。
投資家 / マネジメントに関する方針 / 今後の見込み (例:イグジット戦略について IPOになるのか、それとも買収の形をとるのか?)
ハードセル型アプローチ
プレIPOの段階に到達ですか、それとももうすぐ買収されますか?チャンスがあるうちに加わっておいたほうがいいですよ!
これから新たにラウンドを手にするって?じゃあ早めに動いて現行のストライクプライスを手に入れておかないと!
私たちを信用してください。あなたが欲しいのは高給ではありません、オプションです!
この前XYZ社に紹介した方はIPOで儲かったので、この前家を購入していましたよ!
この会社のCEO はスタートアップを7回立ち上げて、その全てがIPOの段階まで到達したんですよ。彼は本当に優れた連続起業家なんです。あなたも彼の勢いに便乗した方がいいですよ!
*文化的なポイント: 大事なのは現金か株式か?ほとんどの日本人キャンディデートは現金と言います。稀なケースではキャンディデートが現金より株を求めることもありますが、シリコンバレーでは株式を選ぶ人がほとんどです。 日本はユニークアメリカと日本を比べると、ベンチャーキャピタルによる資金額は日本の方が少額です。「ホット」なIPOに至る可能性が高いのはアメリカなのです。IPOに達するまでの壁は日本の方が低いのですが、tech系のIPOはアメリカ基準では非常に低いバリュエーションとなっていることが多いです。日本の企業が従業員にストックオプションを与えたり、そのような見込みを持たせたりすることはあまりありません。(このコンセプト自体もあまり理解が進んでいません) 雇用契約は日本のキャンディデートにとっては非常に重要です。職業の安定性が労働法によって厳重に保護されているからです。伝統的な要素ももちろんあります。この傾向は徐々に変化していくことでしょう。そして会社と個人を洗練させ、彼らにより多くのリスクを受け入れていくように勇気付けていくかどうかは、私たち (リクルーターとスタートアップ) 次第なのです。終身雇用形態の社員の認識:
社内でより尊重されている
社内のヒエラルキーの中で役職を確保できている
強力なキャリアプラン
「同期」のネットワーク(同年に入社した社員同士が形成する)がある
莫大な額の収入は得られない、給料のなだらかな上昇
生涯にわたる雇用を期待している
定期的な業績評価
契約雇用(非終身雇用) 形態の社員の認識:
社内であまり尊重されていない
まともな役職を与えてもらえない
キャリアプランがない
「同期」ネットワークがない
より多くの収入が得られる
数年で辞職するものだと考えている
業績評価がない
雇用形態や雇用タイプによって各企業の人材管理に対するアプローチに違いがあるので、これらのポイントは全ての企業に当てはまるわけではありません。 スタートアップを考えているキャンディデートのために重要な適正診断
ゼロから何かを「作る」ことは好きですか?
志望する企業が過去に手がけた業務を誇りに思いますか?
恐ろしいほどの量の意思決定を、最低限の情報量で下すことに抵抗はありますか?
あなたは安定と逆境のどちらを好みますか?(逆境はあなたの感情的側面を大変疲れさせることがある場合)
あなたは自分を訓練してくれる「システム」が欲しいですか?それとも自分で「システム」を作って他人を訓練したいですか?
あなたなら以下の文章をどうやって終わらせますか?「私は今までそれをやったことがない・・・」
あなたは独立して物事を考える人間ですか?周囲と調和できない(社会あるいは家族の中で)ことが気になりますか?
あなたはリスクを本当に理解していますか?
スタートアップが失敗、あるいはイグジットした後の人生がどのようなものかを考えたことはありますか?
最後になりましたが、私たちはGengoとそのスタッフの成功を祈りたいと思います。Gengoは、あらゆる予想を覆しながら勝っていくための強い意志 – この国がより一層必要とするメンタリティ – を持った人材を見つけることに成功(Wahl & Caseしの助けとともに)してきました。Gengo は、日本のまだ未熟なスタートアップのエコシステムに身を置く多くの人々の向上に貢献してきました。私たちはGengoがこれからもグローバルに発展し続けることを祈っています。