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シニア層や女性のMRの柔軟な働き方を促す医療ベンチャー ~医療従事者と患者のNo.1 プラットフォームをめざす~【後編】

MRが電話とオンラインで医師と効率的に話す仕組みを提供するエンタッチ株式会社。代表取締役社長のマーティ・ロバーツさんに起業の経緯や、サービスの特徴、今後のビジョンについて詳しくお話を伺いました。マーティ・ロバーツ臨床心理学博士。Hofstra大学大学院卒。元セジテムジャパン社長。医療業界のデータとソフトウエアサービスのリーダーとして活躍。2015年8月にエンタッチ株式会社を起業。  

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フレキシブルに専門性を活かして働ける社会づくりにも、エンタッチの事業は貢献しているのですね。この事業は、どのようなステイクホルダーにインパクトを与えていくとお考えですか。

マーティ・ロバーツ(以下、マーティ):私たちの事業は、次の4者がWin-Winになることを促すプラットフォームになると考えています。フレキシブルに働きたいと考えている「MR」、医薬品に関する最新の良質な情報をほしがっているが、日中に時間がとれない「医師」、良質な情報を医師に届け、医師のニーズをマーケティングしたいと考えている「製薬会社」、そして、女性の活躍の機会を増やしたいと考えている「日本政府」。この4者が抱えている課題を解決し、それぞれにインパクトを与えられる事業だと確信しています。私たちが描く未来図とともに、事業案を政府の起業家支援団体に応募したところ、日本政策金融金庫から融資を得られることになりました。サービスの社会的意義を感じていただけたからだと思っています。 

これから医師への告知や、メディカルパートナーの登録者をますます増やしていく段階だと思いますが、どんな工夫をされていますか。

マーティ:医師やメディカルパートナーへの告知は、Webサイトなどでの宣伝が現時点ではメインとなっています。メディカルパートナーの登録については、製薬会社が退職前のMRに呼びかけるなど、登録を促すお手伝いをしてくれていますし、人材紹介会社にも募集を行っています。先ほど述べたように、製薬業界が正社員として雇用するMRの数を縮小せざるをえない状況を鑑みても、MRとしての経験を活かせるポストを探している人は多く、メディカルパートナーの獲得自体にはそこまで大きな課題はないと感じています。ただ、困難に感じているのは、フルタイムではなくSOHOのように、自宅で業務委託、つまりコントラクトベースで働きたいと考えていて、かつ、私たちの登録基準にマッチする専門性を持った方のリクルーティングです。ライフスタイルやライフプランに合った働き方ができるというメリットを、ターゲットにうまく訴求し、興味を持ってもらうことが今後重要になると考えています。

最後に、エンタッチとしての今後のビジョンをお聞かせください。

マーティ:中長期的には、医師とMR、製薬会社だけでなく、医療従事者と患者をつなぐ世界No1規模のプラットフォームになることが目標です。具体的には、継続的に医師を教育するプログラムの提供や、患者同士のネットワークづくりの支援、女性向け医療機器の提案などを、他社と提携しながら進めていきたいと考えています。短期的には、この1年で会社の基盤を固めることに最も注力したいですね。今年の夏からサービス提供のパイロットテストを開始する予定です。そこで、医師とメディカルパートナーそれぞれに、サービスの良さを実際に体験・理解してもらい、成功事例を蓄積すると同時に、彼らの意見や要望を取り入れながら、さらに大きなプロジェクトにつなげていくのが目下の目標です。医師や製薬会社に信頼される企業になるには、専門的な知見に富んだ、日本の優秀なMRを集めて、最強のメディカルパートナーのチームをつくることが重要だと考えています。現在登録している30名弱のメディカルパートナーを、今年中に50名体制にしたいと思っています。 

貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました!