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EFの留学支援は天職。キャリアを貫く軸は「人の成長を後押ししたい」という使命感(前編)

今回インタビューさせていただいたのは、イー・エフ・エデュケーション・ファースト・ジャパン株式会社(以下、EF)国際教育事業部でエグゼクティブマネージャーを務める蓮尾翔子さん。EFは語学学習や異文化理解を中心とした幅広い教育プログラムを提供する世界最大級の国際教育事業者です。EFSETという国際的に認められた ヨーロッパ言語共通参照枠組 (CEFR)に合った標準英語テストの実施などもしています。

これまで教育とは異なる領域で営業企画、人事、新規事業を牽引してきた蓮尾さんが、2019年2月からEFに参画した理由は何なのか。仕事の醍醐味、そしてキャリアを貫く軸についてお聞きしました。

 

 ――EFの事業内容・ミッションはお聞かせいただけますか。

EFは言語習得や国際交流、修学旅行、ビジネススクールなどを組み合わせたコースやプログラムを提供しています。大事にしているのは、「文化とともに語学を学ぶ」こと。1965年、スウェーデンでバーティル・ハルトによって創立されたEFは、現在世界116の国と地域に展開し、52000人の従業員を擁する世界最大級の語学学校となっています。

EFのミッションは、Opening the world through education(教育を通じて世界への扉を開く)。東京2020オリンピック・パラリンピックのオフィシャルパートナーも務めているのも、EFのミッションがオリンピック・パラリンピックのめざすものと非常に近いからなのです。日本人はシャイといわれますが、オリンピック・パラリンピックを通じて「日本人は想像以上にコミュニケーションに積極性がある」「おもてなしの心に満ちている」ということが諸外国に伝わればと思いますし、「EFのおかげで日本のコミュニケーション方法が変わった」という存在をめざしたいと考えています。

――蓮尾さんの現在のEFでの役割、仕事内容を簡単にお教えいただけますか。

現在のメイン業務は、25歳以上で留学を希望されている社会人に、個々に合った留学プランを設計、提案していくというものです。どの国・地域に、いつ、どれくらいの期間行くのかを、お客様と話し合って決めていきます。

社会人になると、留学に割ける時間も限られてしまう。そのため、「留学後どんなキャリアを歩みたいのか」「語学を学んで、それを帰国後にどう活かすのか」など、留学の目的や目標を最初に明確化することがいっそう重要になります。これが具体的であればあるほど、その人の人生に寄り添った選択肢を提案できるからです。 

――蓮尾さんはEFに参画される前にどんな仕事を経験されてきたのですか。

新卒で入社したのはDeNAでした。当時はマザーズに上場してすぐのスタートアップ色の濃い企業で、従業員も200名弱くらいの規模。新卒3期生の私は営業企画職の配属でしたが、自ら仕事をつくって色々な業務を同時に進めるという姿勢が身についていきました。当時のDeNAはECサイトの領域に主軸をおいており、私が主に携わっていたのは、ショッピングモール事業部での営業部門および提携先企業の事務サポートでした。2年目で人事部門に異動し、20代半ばで総務マネージャーを経験しました。

仕事は面白かったのですが、この時点で退職しようと決めました。「このままコーポレートのプロフェッショナルになりたいのか?」と自問し、別のキャリアで専門性を積みたいと考えるようになったためです。何より、他社でも通用する人材になりたいという思いが強くありました。

もし再スタートするなら20代のほうが新しいことを学びやすいはず。そう考えて、リフレッシュ期間を経て、ソニーエンジニアリング株式会社という、設計を専門とする企業に転職しました。ソニー製品の設計を請け負う理系エンジニア集団です。

私が転職したのは、同社がちょうど教育ICTの新規事業を始めるタイミング。アメリカの教育現場でなら各校長の一存でICT導入を決められる。そうした背景から、アメリカの市場開拓をめざした、グローバルにビジネスデベロップメントやセールスを担う人材が求められていました。採用されてからは、プロトタイプをもって各学校を巡り、「教育とグローバル」という領域がいかに面白いものかを感じる5年間を過ごしました。ただし、ICTの新規プロダクトの製品化はさまざまな事情により難しく、プロジェクトは終了となったのです。

――そこからDeNAに戻られたのはどんなきっかけがあったのでしょう?

DeNAの人事の頃に入社研修を担当した後輩からこんな誘いをもらいました。「スポーツ事業でかつ教育に思いがある人で、DeNAのスピード感についていける人を探しているので、蓮尾さんにぜひ戻ってきてほしい」。私はDeNAにいた頃、「会社の成長とともに社員の教育も重要になる」と考え、当時研修のコンセプト構築から実施まで一手に引き受けていました。意識していたのは、研修を受けるメンバー一人ひとりに真剣に向き合うこと。だから彼が「教育といえば蓮尾さん」という印象を抱いてくれていたと知り、「ちゃんと伝わっていたんだな」と嬉しくなりましたね。大分悩みましたけど、DeNAに戻ることにしました。

DeNAは陸上長距離男子のスポーツチームのスポンサーをしており、陸上関係での新しい事業として、子供たちに走りを教えるアカデミー事業の立ち上げに携わりました。「走る」ということを通じて、若きアスリートの卵たちに何をテイクバックしてもらうのか。こうしたことをコーチ陣と話しながら、選手たちが成長していく様子を間近で見られることが大きなやりがいでした。 

――「成長」や「教育」というワードが蓮尾さんにとってカギになっている印象を受けました。EFへの転職にあたって重要視された要素は何でしたか。

これまでのキャリアを通じて、少しずつ「教育が好き」「人の成長を後押しできるような場をつくりたい」という使命感が明確になってきました。何かを学びたい人に、良い学びの場を提供し、変化をサポートする。これが私のキャリアを貫く軸になっています。ソニーエンジニアリングで働いていたときも、ニューヨークの学校の実証実験で先生や生徒たちの表情、学びへの姿勢がポジティブな方向へと変化していくのを見るのが好きでした。

ただし、ソニーエンジニアリングはものづくりの会社ですし、DeNAは色んな領域の事業を行っている会社であるため、いずれも教育事業を主軸に置くことは難しい。その点、EFでならダイレクトに「教育」という観点で大きな意思決定ができます。どの職種を担うにしても、「留学を通じて人の変化、成長をサポートする」という共通目標に向かっていける環境なので、長く貢献し続けられそうだと感じました。 

後編につづく