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「DXの前にCXがある」、デジタルマーケティングで日本組織の変革を促すsembearの挑戦とは?(後編)

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デジタルマーケティングの人材育成・教育事業、事業開発コンサル事業を手がけるsembear合同会社。デジタルマーケティングに関わるさまざまなステークホルダーを理解したうえで、「人材育成」「マーケティングサポート」「プラットフォーム提供」をワンストップで実施しています。

今回は、sembear合同会社の創業者でCEOを務める治田耕太郎さんと、共同創業者・CEOの有岡のぞみさんに、インタビューの機会をいただきました。前編では、日本組織の多くが抱えているデジタルマーケティングの課題とその原因について掘り下げました。後編では、その課題に対するソリューションとsembear合同会社のミッション・ビジョンをお聞きしていきます。

(前編はこちら)

インタビュー動画を視聴する

治田耕太郎 | CEO, 創業者

有岡のぞみ | 共同創業者


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治田:まず経営層に求められるのはマインドセットの変化です。世界に目を向けると、ビジネスの変化は加速度を増すばかり。コンフォートゾーンから出て、変化に対応し続けようという本気度が求められます。そのうえで、デジタルマーケティングによって何を実現したいのか、ビジョンやその実現のためのロードマップを描き、社内に浸透させることが重要です。

さらにいうと、デジタルマーケティングの新たな動きはアメリカのシリコンバレー主導であることが多く、英語でそうした情報をキャッチアップし、自社に活かすことも必要ですね。

有岡のぞみ(以下、有岡):現場レベルに求められるのは、先ほど「DXの前にCXがある」と治田がお話したとおり、多様な顧客を知ろうとする姿勢です。自社のお客さまが普段どんなふうに情報を得ているのか、どんな情報を求めているのか。たとえば「TikTokが20代で人気だからTikTokで広告を出そう」ではなく、「20代のこうしたニーズをもつ層に、こうした情報を届けるためにはTikTokが最適。だから、TikTok広告を出稿しよう」と考えるような発想やアンテナの感度が求められます。

また画一的な思考の組織では、こうした顧客のダイバーシティを理解することが難しいものです。経営層も現場も、異質な発想をとりいれ、多様性を包含できる状態をめざしていくことが重要だと考えています。

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治田:地方自治体の例を挙げましょう。先日sembearでは、栃木県宇都宮市役所担当者向けにデジタルマーケティング基礎を学ぶ研修を行いました。研修をして終わりではなく、その後も3カ月間ほど担当者の方々に伴走し、感覚的な判断ではなく数字を見て判断するための考え方を伝えてきました。すると、たとえば市民へのワクチン情報の広報活動においても、どの施策が効果的だったのかを定量的に判断し、実行に移せるようになってきました。このように、エクセキューションのレベルからサポートしたことで、現場で成功体験が生まれ、データドリブンな意思決定ができるようになってきています。

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有岡:現在私たちの事業の柱は、広告代理店向けのデジタルマーケティング人材育成と、事業会社や地方自治体向けのデジタルマーケティングサポートです。変革の後押しをするために私たちが力を入れているのが、広告代理店向けのデジタルマーケティング人材育成研修です。1 on 1研修、マーケティング戦略を専門的に学ぶグループワーク、そして最新のテクノロジートレンドをいち早く取り入れたクラスルーム型研修サービスを提供しています。

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治田:手前味噌ですが、「sembearさんの研修は実務に役立つから面白いし、愛がある」といわれます。その理由は、最新のトレンドを教えて終わりではなく、今後新たな情報を自らとりにいき、実務に活かすにはどうしたらいいかという点までお伝えしているからだと考えています。研修後も、自律して「考えられる人」を育てることが私たちのミッションです。

デジタルマーケティングの考え方やツールは世界共通のもの。それを武器に変化に対応しながら、世界的に活躍できるような組織が増えて、日本の組織風土が活発なものになっていく――。そんな明るい未来に寄与できたら嬉しいですね。

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松尾美里

日本インタビュアー協会認定インタビュアー/ライター

Attunedのブログ記事作成を行う傍ら、株式会社フライヤーにて経営者、著者へのインタビューを行う。 現在、自身のライフミッションとして「キャリアインタビューサービス」の活動を行う。面白い生き方の実践者に話を聞き、その魅力を発信している。 また、70名の生き方をまとめたブログ「教育×キャリアインタビュー」の著者でもある。