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テック業界の仕事:カスタマー・サクセス・マネージャーとは?

カスタマー・サクセス・マネージャー(CSM)とは何でしょうか?

この記事では、カスタマー・サクセス・マネージャーとは何か、何をする人なのか、そしてCSMとして仕事をするために必要なスキルと言った、SaaSやITにおけるカスタマー・サクセス・マネージャーになるために知っておくべきことを全てご紹介します。

カスタマー・サクセス・マネージャーには、会社によってテクニカル・アカウント・マネージャー(TAM)、クライアント・サービス・マネージャー、クライアント・サクセス・マネージャー、クライアント・ソリューション・マネージャー、ソリューション・コンサルタントなどの肩書きを持ちます。

Wahl+Caseでは、アドテックフィンテックB2CテックB2Bテックの中でも最もホットな企業において、今までに何百人ものカスタマー・サクセスのポジションの獲得を支援してきました。

技術系の様々な営業職についての包括的な概要は、「IT業界の営業職総合ガイド[2021]」をご覧ください。

カスタマーサクセスマネージャーの定義

まず、カスタマーサクセスマネージャーとはつまり何でしょうか?

カスタマーサクセスマネージャーとは、その名の通り、お客様が製品やサービスを利用して成功しているかどうかを確認するポジションのことです。

これは、オンボーディングやインプリメンテーションを通してお客様のサポートをし、お客様が使用していない、あるいは完全に使いこなせていない、製品に関する有益な機能を紹介することなどが考えられます。カスタマーサクセスマネージャーとしては、常に顧客とコミュニケーションをとり、成果を確認しつつ、製品を使用することでどのように顧客のビジネスを向上させることができるについてを指導します。

ベンダーロックイン

ベンダーロックインの構築は、カスタマーサクセスマネージャーとして成功するための重要な要素のひとつであり、プロプライエタリロックインやカスタマーロックインとも呼ばれます。目標は、顧客が製品やサービスを使って成功し、継続的かつ将来的なビジネスの成功のために、その製品やサービスを使い続けることを望んでいるかを確認することです。他の製品やサービスに変更すると、高いスイッチングコストと呼ばれる費用が発生します。

ターゲットとKPI

カスタマーサクセスマネージャーの目標とKPIは何でしょうか?

カスタマーサクセスマネージャーの目標は、お客様の顧客満足度を維持・向上させることです。これは、ネットプロモータースコア(NPS)、顧客満足度調査、または解約率で測定できます。

解約率とは、お客様が更新せずに製品やサービスから離れてしまうことを言います。離職率と呼ばれることもあり、一定期間における製品の顧客減少を測定します。カスタマーサクセスマネージャーとしては、この解約率をできるだけ低く抑えることが目標となります。企業が成功するためには、成長率が解約率よりも高くなければならないからです。また、ほとんどの場合、新規顧客を獲得するよりも、既存顧客との契約更新の方がコストが低くなります。

販売目標

ほとんどのCSMは、直接の販売目標を持っていませんが、アップセル、クロスセル、そして契約更新の目標を持っています。

アップセルとは、お客様に現在使用している製品よりも高級な製品の購入や購読を促すことです。例えば、購読の基本プランからより高価なプレミアムプランへのアップグレードなどです。そのためには、プレミアムプランによって得られるビジネス上の付加価値が、追加コストを上回ることをお客様に示す必要があります。

一方、クロスセリングとは、お客様に追加・補完的なアイテムの購入や購読を促すことです。これには、有料の機能、アドオン、トレーニングセッション、関連製品などが含まれます。この場合、例えば製品と有料機能を組み合わせることで、お客様のビジネスにとっていかに価値が高まるかを示す必要があります。

契約更新は文字通り、お客様が現在のプランやサブスクリプションを、1年などの追加期間で更新することを意味します。SaaSビジネスでは、更新はキャッシュフローの主な元であり、通常は新規の収益よりも予測しやすくなっています。前述したように、高い更新率を実現する最も効果的な方法は、お客様にベンダーロックインをもたらすことです。

必要なスキル

では、優れたカスタマーサクセスマネージャーになるためには、どのようなスキルが必要なのでしょうか。

カスタマーサクセスマネージャーには、ハードスキルを必要とする技術面と、ソフトスキルを必要とする顧客対応面の2つの側面があります。それらを少し分解してみましょう。

ハードスキル 

必要とされる技術的なスキルは、製品の種類、会社、業界によって異なります。

例えば、アドテックやマーテックの分野で働く場合、データを扱うことに慣れていなければなりません。つまり、SQL、Python、Rなどの知識があれば、スタートダッシュを切ることができます。ほとんどの企業では、入社後に特定のソリューションに関するさまざまなトレーニングを実施していますが、ベースとなる知識を持っておくことは常に良いアイデアです。

ソフトスキル

CSMは顧客と接する機会が多いため、データを読み取る能力だけでなく、何がうまくいっていて何がうまくいっていないのかを顧客に理解してもらうために、発見したことを伝える能力も必要になります。

そのため、問題解決には積極的に取り組む必要があり、優れたカスタマーサクセスマネージャーは、問題が発生する前にそれを予測することさえあります。そのためには、お客様のビジネスをよく理解し、お客様が製品やサービスをどのように、そしてなぜ使っているのかをよく理解し、共感することが必要です。主なソフトスキルとしては、アクティブリスニング、効果的なコミュニケーション、コーチング、プレゼンテーションスキルなどが必要となります。

キャリアアップ

カスタマー・サクセス・マネージャーになると、技術面と顧客対応面の両方のスキルが身につくため、次のキャリアステップとしていくつかの方向性が考えられます。

最初の、そして最も簡単な方法は、カスタマー・サクセス・チームのリーダーになることです。これには、カスタマー・サクセス・ディレクター、カスタマー・サクセス・ヘッド、あるいは最近ではCCO(チーフ・カスタマー・オフィサー)などの役職があります。

もう1つの選択肢は、より技術的な側面に近づき、ソリューションアーキテクトなど、お客様のニーズを製品化する役割になることです。製品化とは、お客様の要望に基づいて、カスタムソリューションを作成することです。

また、ソフトスキルを活かしてビジネスを構築し、技術面での理解を活かして製品の利点をよりよく説明できるような、成長を重視したより営業的な役割に移ることもできます。

FAQ

ボーナスとして、カスタマーサクセスのポジションについてよくある質問にお答えします。

カスタマーサクセスとカスタマーサービスの違いは何ですか?

カスタマーサクセスマネージャーとカスタマーサポートの違いは、プロアクティブであるかリアクティブであるかということです。カスタマーサクセスマネージャーは、日々お客様と接し、お客様がソリューションのメリットを十分に享受しているかどうかを確認し、問題が発生する前に解決する必要があります。一方、カスタマーサービスは、お客様がすでに経験している問題に対応し、お客様が持っている可能性のあるクレームに対処することが重要です。

カスタマー・サクセス・マネージャーとアカウント・マネージャーの違いは何ですか?

主な違いは、技術的な面での役割です。カスタマーサクセスマネージャーは、製品の実装により深く関わることになります。顧客は、カスタマーサクセスマネージャーに対して、製品が提供するソリューションをより深く理解する能力を持っていることを期待しています。一方、アカウントマネージャーはレポーティングも行いますが、一般的にはダッシュボードを利用して行います。もう一つの違いは、アカウントマネージャーは販売実績に応じた目標を持つ営業職になることができますが、カスタマーサクセス職には通常、コミッション構造やボーナスはありません。

まとめ

今回の記事が、カスタマーサクセスマネージャーとは何かを理解していただく一助となれば幸いです。まだまだ新しい職種ですが、SaaSビジネスやサブスクリプションサービスの成長に伴い、近年ではより広く浸透してきています。

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