BtoBマーケティングを成功させるポイントを解説!

 
 

外資企業が撤退を発表してるニュースをみたことはありませんか?

多くの外資企業が日本市場への参入を試みますが、成功している企業はわずかです。

大きな要因は、海外とは違う日本の独特かつ複雑な市場です。その違いに対応しきれず、撤退に追い込まれる企業は多数です。

逆にいうと、日本のマーケターが海外市場を理解するのには、この海外と日本の市場のギャップを理解する必要があります。

決して、商品力が弱いからではなく、市場を理解しきれていないからです。

そこで、TAMLOのチーフ・ローカライゼーション・オフィサーであるAramaki Nanakoさんにどのような点で外資企業はローカライズをしきれていないか、よって日本と海外でのB2Bマーケティングの違いについて伺いました。

今回は、外資企業が日本でのB2Bマーケティングを成功させるために注意すべき5つのポイントを解説していきます!

 

ポイントその1 :Yahoo Japanの利用頻度

意外なマーケットリーダー

世界的な規模でみるとデジタルプラットフォームの利用率ではGoogleがシェアを独占していますが、日本では実は異なります。Yahoo JapanとGoogleの利用率は似ており、月間利用者数ではGoogle優っている場合があります。

なぜYahooなのか?

コロナ禍から現在、Yahoo Japanは日本一位のデジタルプラットフォームとなりました。多くの日本人ユーザーが毎日、Yahoo関連のプラットフォームにアクセスしてるのが分かります。

責任者・管理職層をターゲット

Yahoo Japan利用者の年齢層はGoogleに比べる高めであり、特徴として企業などの責任者や管理職層が利用する場合が多いです。B2Bマーケティングでは、最終的な判断は責任者などに仰がれるため、そのユーザー層に的確にリーチするのに最適なプラットフォームでもあります。

広告機会

Google広告が主流である世界的な傾向とは異なり、日本ではヤフージャパンはディスプレイ広告とPPC広告のための強力なオプションを提供しています。Googleとは異なるオーディエンスリーチとインベントリーにより、ターゲットを絞った広告キャンペーンを行うための貴重なツールとなっています。

ローカライズされた効果

海外ではあまり好んで使われないYahooですが、日本ではロカライズに成功しており、多くのネットユーザーが日常的に触れるサービスを様々提供しています。だからこそ、海外の視点でそのまま参入すると、Yahoo Japanを利用した戦略が見落とされたりします。

 

ポイントその2: LinkedInの低い認知度

LinkedInの低い認知度

LinkedInは世界的に著名であるにもかかわらず、日本での存在感は際立って小さい。LinkedInのユーザー数は約300万人で、特に日本の人口の多さを考慮すると、他の国と同じレベルの影響力を達成できていません。

ネットワーキングにおける文化の違い

海外ではネットワーキングや求人情報を探す時、LinkedInを活用することが多いですが、日本ではFacebookが活用されることが多いです。海外では仕事用として使用されることが少ないFacebookは日本ではビジネスの関係者と繋がるツールとして利用されています。特に、会ったことのある関係者のみを追加する傾向があるため、親密な関係者のみと繋がっているという特徴もあります。

デジタルよりもリアルなつながり

知り合いのみを追加する傾向は、大きな文化の違いを示します。知り合いといっても対面で会ったことのある人のみを追加するケースがあり、追加するときは必ず、実際に会ったあとのみにする場合が多いです。ビジネスにおいて、ネットでのコミュニティーより対面での出会いなどを重要視しているのが伺えます。

ビジネスツールとしてのFacebook

LinkedInがプロフェッショナルネットワーキングを支配する欧米のトレンドとは異なり、日本ではFacebookのようなプラットフォームがビジネス仲間とつながるための不可欠なツールとして機能しています。これには、欧米のビジネスシーンではあまり一般的ではない、Facebook Messengerを使ったビジネスコミュニケーションも含まれる。

現地のプラットフォームに適応する

日本をターゲットとするB2Bマーケターにとって、こうしたプラットフォームの好みを理解することは非常に重要です。日本のプロフェッショナルとエンゲージするためには、Facebookのようなプラットフォームにフォーカスを移し、よりパーソナルで信頼に基づいたつながりを育むような戦略が必要かもしれません。

 

ポイントその3: 日本におけるウェブサイトのUI/UXの違い

情報密度の高いデザイン

ミニマルで洗練されたHPデザインを好む欧米とは対照的に、日本のホームページは情報量が豊富で広範なレイアウトが特徴です。楽天のHPなどがまさにそれを体現しています。

消費者の情報ニーズ

デザインを日本のユーザーのニーズに合わせる必要があります。日本のユーザーは購買意欲を示す前に、必ず商品やサービスに関する詳細な知識を求めるのが一般的です。


詳細情報によるエンゲージメント

日本のウェブサイトでは、商品の詳細や体験談、複数のCTA(Calls-To-Action)を盛り込んだ長いランディングページがよく見られます。これは、徹底した情報を求めるユーザーの欲求に応え、購買意欲を向上し、購入までのプロセスを助けます。

ビジュアルとテキストの役割

ビジュアルがメインな欧米のウェブサイトとは異なり、日本のウェブサイトはテキストとビジュアルのバランスが重要です。ユーザーが購入や問い合わせに進む前に、必要な情報をすべて得られるよう、徹底したテキスト情報を提供するのがマストです。

地域の嗜好に合わせる

B2Bマーケターにとって、こうしたUI/UXの好みを理解することは必須です。細かい情報を求める日本人の習性に合わせてHPを調整することで、エンゲージメントとコンバージョン率を大幅に向上させることができます。ダウンロード可能なガイドや製品情報などの機能を盛り込むことで、現地市場の期待に応えることができます。

 

ポイントその4: 日本市場向けに調整したキャンペーン目標

マイクロコンバージョンに焦点を当てる

日本でのマーケティング戦略は、より小さなエンゲージメント指標、つまりマイクロコンバージョンを、軸として置くべきであります。これには、ホームページの長時間訪問や、特定のコンテンツセクションに関与したりといったアクションが含まれます

セールスサイクルを理解する

日本のセールスサイクルは、欧米諸国よりも長いという特徴があります。特にB2Bセールスは、忍耐と持続的なエンゲージメント戦略を必要とします。迅速なコンバージョンは一般的ではなく、時間をかけて信頼を築くことが最重要です。

コンバージョンゴールを再定義

即時のコンタクトリクエスト、見積もり、デモの申し込みといった従来のコンバージョン目標は、当初はあまり効果的でないかもしれません。日本の顧客は、何らかの形で約束をする前に、情報集めなどの時間が必要とすることが多です。

情報提供の重要性

十分な情報を提供することが非常に重要です。潜在顧客が安心して直接コンタクトを取る前に、ウェブサイトやマーケティング資料で必要な情報を収集できるようにしましょう。

ソフト・セリング・テクニック

無理に売り込むのではなく、情報豊富なコンテンツで潜在顧客を育てることに注力する。控えめで有益なアプローチは、典型的な日本のビジネス文化や消費者行動に合致している。

 

ポイントその5:日本のビジネス文化を理解

対面でのコミュニケーション

日本では、強いビジネス関係を築くためには、直接顔を合わせての交流が欠かせません。日本の顧客との関係を維持・強化するためには、定期的な直接訪問が重要な役割を果たします。

贈り物とエチケット

日本のビジネス文化はエチケットに大きな重点を置いており、会議中に贈り物をしたり、名刺を交換したりする習慣があります。このような習慣を理解し遵守することは、ビジネス関係の信頼を構築、そして発展させるのにとても重要です。

グループでの意思決定

日本企業では、最終判断は集団で行われることや最終決断が降るまでに多数のステップを踏むことが多いです。一人で決定するのではなく、そのグループ全体の合意のもと決定することが一般的です。だからこそ、責任者のみターゲットにする欧米のアプローチは、日本ではあまり効果的ではないかもしれません。

社内の人間模様・関係値・仕組みを考慮し、チームメンバー間で共有・議論できる資料を提供することが重要です。そして様々な人を通す必要があるため、相違などを起こさないためにも、資料を用意しておくのは重要です。

詳細な資料の重要性

日本企業は通常、企業にコンタクトを取る前に膨大な資料を集め、徹底的なリサーチを行います。貴社の詳細なガイドや情報資料がすぐに入手でき、簡単にアクセスできるようにしておくのも重要です。

営業・マーケティング戦略の適応

営業・マーケティング戦略は、こうした文化的なニュアンスに合わせる必要があることを認識しましょう。広範な製品情報の提供、販売サイクルの忍耐強さ、商談の習慣の尊重などの実践が、日本市場での成功のカギとなります。

 

最後に

B2Bマーケティング戦略を日本市場に適合させることは、成功のために極めて重要です。

プラットフォームの嗜好から文化的なニュアンスまで、これらの重要な違いを理解することで、企業は日本のオーディエンスに効果的に働きかけ、共感を得ることができる。

TAMLOのチーフ・ローカライゼーション・オフィサーによるこれらの洞察により、日本市場の複雑さを乗り越えるための準備が整います。

日本市場への参入や海外へ向けたローカライズなどのお悩みがある方は、ぜひローカライズのプロのTAMLOさまにご連絡ください。

自社に合った人材が見つからず、お困りの方は弊社までご連絡くださませ。

現在、マーケティング職で転職を考えている方はぜひ、こちらからお問い合わせください!

 

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